味の形容詞
なんだか調子に乗ってしまい、食べ物の方言名を3回シリーズ(3日連続)で紹介してしまった。
こんどは、味覚を表す形容詞についてご紹介(懲りない…)。
さて、宮古方言の形容詞は、「繰り返し」というのが特徴である。
名詞や動詞を2回繰り返すことで、形容詞の働きになる。
宮古方言の「味」にまつわる形容詞を、ざっと思い出せるだけ書いてみたが、
案の定…と言うべきか。見事にすべて繰り返し言葉である。
アッヴァーアッヴァ
[avva: avva]
脂っこい。油々。肉料理はおいしいんだけれど、やっぱり「アッヴァーアッヴァ」。肉料理を食べたむっちゃむっちゃ(べたべた)の手も「手がアッヴァーアッヴァ」と言ったりします。
アパーアパ
[apa: apa]
味が薄い。淡々。味が足りない。要調味料追加。昔はうちの父の口癖だったので、実家の食卓は味塩常備でした。最近は年を取って薄味派になったのか、聞かなくなりました。
アズーアズ
[azu: azu]
おいしい。味々。
個人的には「味がある」というニュアンス。意味不明ですね。えーと、つまり、アパーアパではないというか…。「美味しい」は他にも「ウマーウマ(美味美味)」とか「ウマムヌ(美味もの)」と言ったりもします。
<<対義語>> 「ウマ フファ ニャーン(美味/く/ない)」
アズマーアズマ
[azma: azma]
甘い。甘々。アマーアマと素直にいかなかったのは、発音の呼気が強いせいで、ついでに息が漏れて余分な音(ズ)が出たのではないかと…憶測。
写真は、私の誕生日に弟が買ってきてくれたクマ形ムース。
スカラースカラ
[sukara: sukara]
塩辛い。酸っぱい。「す」は「酢」で、「カラ」は「辛い」である。どっちにも使うのか?区別していないのか?…今度調べてきます。
タズゥータズ
[taz: taz]
汁っぽい。果汁たっぷりのくだものか、失敗した煮物。スス(汁)タズー(多分「垂れる」の意)とも言った気がします。
個人的には高野豆腐を噛んだときの感覚…。
ンギャーンギャ
[ngja: ngja]
苦い。苦々。言うときは思いっきりしかめ面で!
私は緑茶を濁るぐらい濃く淹れて、ンギャンギャ言いながら飲むのが好きです。お茶はどれだけ苦くても平気なのですが、コーヒーはどうしてもダメです。最近ちょっと克服して、カフェラテは砂糖なしで飲めるようになりました。ブラックコーヒーをすっと飲めるオトナの女めざして日々特訓中です。
この記事へのコメント
初めまして。気に入っていただいて、光栄です。ありがとうございます。
「アッヴァーアッヴァ」は、そうです、Vの音です。
発音記号にすると [ a・v・va: a・v・va ] となります。
V音のある単語としてはこの他に、ゥヴァ(=あなた [v・va] )や、ニッヴィ(=寝る [ni・v・vi] )などがあります。
このV音も、宮古方言ならではの特徴らしいですよ。
みゃ〜くふふぁ 様>
はじめまして & んみゃーち、我がブログんかい。
ああ。「だいずばかぁ~」っていう言い方、なんだか久しぶり・・・。
んーよ、あったよ、そんな使い方!!と、私も懐かしんでしまいました。
これからもどうぞよろしくです。
あと、みゃ~くっふぁさんのブログのアドレスも教えてください!是非拝見したいですm(_ _)m。
文字になってもインパクトのある宮古方言が面白く、ときどきお邪魔していましたが、この前、勝手にお気に入りに入れてしまいました。
脂っこい、という意味の、「アッヴァーアッヴァ」ですが、宮古方言にはVの音があるんですか? 下唇を噛むのですか?