人間関係(友人編)
なんだか以前から気になっていることがありまして。
「友達」「仲間」といった類を表す言葉が、宮古方言には多いのではないかと。
気になり度がピークに達したので、調べてみた。
ドゥス[du・s]
(特別には親しくない)友人。沖縄本島の「ドゥシ」と同様、もとの音は「同志」である。
しかし沖縄方言の「ドゥシ」が「ドゥシグヮー」と親しみの呼称「グヮー」を付けて使われるのに対し、宮古で同様の使い方をされる例を聞いたことがない(宮古方言式に言い換えると「ドゥスガマ」となるはずだが…)。
アグ[a・gu]
親友。琉球語音声データベースの「アグ」の項によると、語源は古語の「吾君(あぎ)」。また、同項で「男同士の親友」と解説があるが、最近は男女の区別をしていないように思う。
ちなみに語源とされる「吾君」であるが、Yahoo!辞書(大辞泉)によると次の通り。
[代]二人称の人代名詞。親しみを込めて相手を呼ぶ語。
トゥンガラ(トゥンカラ)[tun・gara / tun・kara]
(女同士の)親友。私は「トゥンカラ」という方が耳に馴染みがあるが、辞書には「トゥンガラ」で載っている(地域による発音差)。
昔は女の子同士、友達の家に泊まりに行くことを「トゥンカラしに行く」と言った(母・叔母談)らしい。現在は日常会話で使われるのを聞いたことがない。
ちなみに、上野に「とぅんからや」という素敵なカフェがある。…オススメです。
ブーリャ[bu:rja/bu:rja:]
同級生、同期生。
中学までしか宮古にいなかった私と妹は、最近までこの方言を知らなかったが、高校を出るまで住んでいた弟や友人・知人(20代~30代)は普通に使っている。
「ブーリャ」に限らず、「ドゥス」や「アグ」といった友人を表す他の語彙も、使うようになるのは同様に高校生以上のようである。
友人関係を意識し始める年齢となってようやく使い分けはじめるのであろうか。
もしくは、高校は宮古全域から生徒が集まるので、うちの中学(平良中)では使わなかった語彙が他校出身の生徒から伝わったのか。
個人的に興味深い現象である。
- 宮古方言音声データベース(「琉球語音声データベース」 内)
- Yahoo!辞書
- 『宮古スマフツ辞典』与那覇ユヌス 著, 2003年(たぶん自費出版)
この記事へのコメント
「トゥンカラ」の意味、初めて知りました☆これもいい方言だね^^♪
これからもよろしくお願いします!Motoca先生!(笑)
初めまして。お越し頂いて光栄です。
せきさんのブログ、ものすごく憧れなのです。
ああいうピシッとした(整理された)解説をしてみたいものだと思いながら、
ときどき拝見しておりました(この間は長々と書き込みし失礼しました)。
このブログも最初はまじめな文体で始めたはずだったのに、いつの間にか…本人の性格が表に出てしまったようです(泣)。
開き直って、背伸びしない、興味の赴くままのブログにしようと最近は思っています。
書きながら、比較対象となるのはやはり、主島である沖縄本島(首里・那覇)の方言です。私も、せきさんのブログを参考にさせてくださいね。
これからもどうぞよろしくお願いします。
アドレスThank Youです。
書き込み終わったらブログに遊びに行くね~!!
実は私、母と叔母から話を聞くまで、「とぅんからや」の店の名前は、どこか東南アジアの国の言葉だと思っていました。
実際、この言葉の意味を調べるためにサーチエンジンに単語を入力すると、
検索結果はインドネシア関連ページがだっふぁと。
「トゥンカラ島」もあるし、「トゥンカラさん」も「トゥンガラさん」もいた。
ちょっとインドネシア語を勉強してみたくなりましたよ~。
「島唄まじめな研究」からきました。
ヤマトの生まれ&育ちです。
とっても参考になるブログですので今後読ませてくださいね。
宮古の友人がいつもいうのですが、宮古の言葉は難しい。
俺もうまくしゃべれない(笑)そうです。実はそんなことはないのですが、面白い方が多いので、私は友人が多いです。
また遊びにきます。