2006年05月22日 00:00
東京は「沖縄物産展」シーズン。
駅のイベントコーナーや、デパートに設けられた会場には、懐かしい沖縄食材が並んでいる。食品名をウチナーグチで表記してあるものも多い。だが、島が変わると、同じ食べ物でも名前が変わるのだ。
ということで、沖縄物産展で見る食べ物の宮古での言い方を紹介したい。
今回は野菜編。
ニガウリ。最近は東京のスーパーで売られるものも「ゴーヤー」と表記されるようになり、この宮古式の言い方は近い将来消えてしまうのではないかと密かに危惧している。
冬瓜。これは多分沖縄方言とも共通ではないかと思う。(2007年5月22日更新時に修正)->宮古では「スブイ」だが、沖縄本島の「シブイ」という呼び方も広まっている。語源は、一説によると「白瓜(しろうり)」とのこと。
標準語の発音転訛で「トウガ」と呼ぶこともある。
もずく。沖縄方言で「スヌイ」、石垣では「スヌル」と言うらしい。並べて書くと何かの活用形みたいだ…。食感がスヌーとしているから…だはず。
パパイヤ。実が青いうちに穫って、野菜として食べる。
しかしこの名前は紛らわしい。昔、ばぁちゃんに「今日の晩ご飯、マンジュウを炒めようと思うけどど、角切りにするのとすり下ろしにするの、どっちがいい?」と聞かれて真剣に悩んだことがある。
最近は物産展やガイドブックにも「パパヤー」と表記されているが、沖縄方言でも正しくは「マンジュー」と言うはずだ(10年ぐらい前に、沖縄植物図鑑でそう表記されていたのを見た憶えがある)。「パパヤー」は「パパイヤ」の発音が沖縄式に訛った新方言だと思われる。
(2006年9月18日 追記)ちなみにパパイヤのことを「万寿果」と記すこともあるそうで、この「万寿」が「マンジュウ」という名前の語源ではないかと思われる。
ヨモギ。沖縄方言だと「フーチーバー」。語源が全く違うらしい。ちなみに「ヤツゥサ」は「八千草(やちぐさ)」がもとの音。
苦菜。「ンギャーァンギャ」の(=苦い)野菜なので「ンギャナ」。物産展では「ンジャナ」と表記される。岩場など地面の固いところでとれる…と、うちの母が言っていたが、彼女はそれを摘んできて、ベランダのプランターで育てている。
大根。ウプ[upu](大きい) + ニー[ni:](根)
(2006年9月18日 追加)先月参加した大学のスクーリング(通学授業)にて意外な情報が。もともとは和語(日本古来の言葉)だったものの中に、中国から輸入した文字、つまり漢字を充てたことで(和語は訓読み)、やがて音読みにされるようになってしまった言葉があるとのこと。「和製漢語」というそうで、「内々に(うちうちに→内々に)」「物騒(ものさはがせ→ぶっそう)」など、先生が例に出されたものの中に「大根(おほね→だいこん)」というのもあった。
日本の古い言い方が、宮古に残っている! 思わず講義中にひとりで鼻息荒くなってしまった…。
他にもいろいろあったはず…。思い出したら順次追加しますね。